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風はどこから吹いてくるの? -子ども科学電話相談 質問解説

皆さまお疲れ様です!

おとうさんブロガーの える です(^_-)

毎度おなじみになっていくかも知れません、子ども科学電話相談の解説のコーナーをはじめます(^^)/

本コーナーでは、子ども科学電話相談での、面白い質問・深い質問を取り上げて解説しております。

あと、これは一応毎回言っておくのですが、、

※決して先生のご回答がわかりにくいと言ってるわけではないので悪しからずm(_ _)m

質問内容は?

今日は4月12日(日)11時台 での質問で、

6年生の男の子の、

「風はどこから吹いてくるの?」

という質問を取り上げたいと思います。

回答された先生は、気象予報士で天気気象分野の先生

福田寛之(ふくだひろゆき)先生 です。

聞き逃し配信 2020年4月12日 11時台 (5月31日まで配信) 

13分00秒あたりからの質問

回答難易度目安: レベル4(すこしむずかしい)

先生のご回答は?

 この質問は少し難しく、先生もいろいろと例を出して回答されましたね。

質問者の男の子が疑問を持ったきっかけは、

強い風が吹いて竹が揺れていたので、妹と一緒に疑問に思った。

とのことです。

自然を見て疑問を持つのは自然科学の基本と言えますね(*^^)

さて、先生の結論としましては、

どこから吹いて、どこに行くかということはありません

と言うことになります。

風は循環し続けていますので、始まりも終わりも無いということですね。

先生は解説の段階では以下の例を出されました。

黄砂について

日本では毎年春になると黄砂が降りますが、これは中国大陸の主にゴビ砂漠の砂が舞い上がって、風にのってやってきています。

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-黄砂の写真-   U-ichiro Murakami 

ですので、この時は風は中国からやってくるとも言えますね。

正確には、

砂漠の風で舞い上がった砂が、上空のジェット気流にバトンパスされて、日本に届きます。

ということでしたね。

冬に窓を開けて換気する時の例

まず身近に体験したことのあるような例を出されまして説明されました。

先生は男の子に、

暖かい部屋に居て、窓を開けたときに外から風が吹き込んできますよね。

あれは小さな風を作っていると言うことです。
とのことで、

風は冷たいところから暖かい所に吹いてきます、と言う事ですね。

ただ、この例は難しさを含んでいますので後ほど解説します。

大気圧の差について

先生としてはこれが最も言いたいことになります。

地球上において、風というのは気圧の差があるところで吹きます

天気図でも低気圧と高気圧が描かれていますよね。陸上付近では、基本的に高気圧から低気圧に向かって風が吹きます

ですから、天気図の低気圧と高気圧の位置を見れば、だいたいどこからどこへ風が吹いているのかわかると言うことになりますね。

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このような気圧配置ですと、矢印のように風が吹くことになりますね(^-^)

解説と考察

この質問は結論を言うと「どこからどこに吹くわけでもない」という一言で終わるのですが。

風が吹くしくみについては、口で説明するとなると少し難しいです。

特に、圧力が違うとなぜ風が吹くのかについて、簡単な図を使って説明してみましょう。

圧力のイメージ

なぜ圧力が違うと風が吹くのでしょうか?

子供にもわかりやすく伝えるには、友達と部屋の中で遊び回るイメージをするといいかもしれません。

空気は細かい粒(分子)でできています。

圧力が高いということは、粒がたくさん詰まっているようす。

圧力が低いということは、粒が少ないようす。

といえます。

この粒を自分や友達が遊んでいる様子と置き換えるとしましょう。

例えば、隣り合った同じ大きさの部屋があるとして、

片方は10人で遊んでいて、もう片方は4人で遊んでいるとします。

部屋の間は鍵のかかったドアで仕切られています。

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10人の部屋は圧力が高く、4人の部屋は圧力が低いことを意味します。

そうなると、10人で遊んでいる方はもっと広いところで遊びたいですよね。

そこで、2つの部屋の間のドアを開けると、10人の部屋から4人の部屋に

遊びに出ちゃうわけです。

この状態がまさしく、風が吹いている状態ですね。

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 最後には両方の部屋に平均7人ずつ入るわけなので、圧力が等しくなり風が止まります。

地球も同じで、高気圧から低気圧に空気が流れることで、圧力を等しくしようとするわけですね。

窓を開けたときの風について

身近な例として先生がご説明された内容ですが、なぜ風が吹くのか、少し難しかったのではないかと思います(^-^;

これは実は気圧の問題とは少し違ってくる場合もあるのですね。

まず、窓を開けたときの空気の流れ込みには下の2つのパターンが考えられます。

  • 圧力差が働いて風が吹く場合
  • 圧力はあまり関係なく暖かい空気と、冷たい空気の位置が入れ替わって風が吹く場合

ですが、一般的な住宅の部屋などは、主に後者の現象で風を感じることになると思います。以下に解説しますね。

圧力差が働いて風が吹く場合

詳しい説明は割愛しますが、

高いビルなどの1階付近のドアや窓を開けることで発生することがある風のことです。

ビルから出るときに、すごく強い風に吹かれたときがありませんか?

その体験は、もしかすると「ドラフト効果」によるものだった可能性があります。

ドラフト効果

煙突効果 - Wikipedia

ビル内が小さい低気圧になっている状態ですね。

外の方が気圧が高いので、ビルの自動ドアなどが開くと強い風が吹き込んできてしまいます。

対策としては回転ドアで対策されていますね。

この現象は細長い建物で起こりやすいので、一般的なおうちではまず発生しないでしょう。

大豪邸ならわかりませんが・・・(笑

暖かい空気と、冷たい空気の位置が入れ替わって風が吹く場合

どちらかというと一般的な家屋ではこちらの作用で風を感じることが多いと思います。

家の中は暖かな空気が充満している状態、窓の外は寒い空気がある状態で窓を開けてみます。

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すると・・・

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暖かい空気は軽いので空に逃げて行ってしまいます、部屋から暖かい空気が減ったかわりに外から寒い空気が足元に入り込んできます。

いきなり寒い空気が足元に入ってくるので、風の吹き込みとして感じやすいのですね(^^)

まとめ

空気の流れの話は難しいので、お子さんに聞かれたりしたときは図や例えをうまく使って説明できるといいですね。

空気の流れがわかれば天気図を見るのも楽しくなりますよ(*^_^*)

 

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