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冬至を過ぎてから寒さのピークが来るのはなぜ? - 子ども科学電話相談質問解説


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皆さまお疲れ様です!

おとうさんブロガーの える です!!

 

今日も、子ども科学電話相談の解説のコーナーをはじめましょう( ・ิω・ิ)

本コーナーでは、子ども科学電話相談での、面白い質問・深い質問を取りまとめて解説しております。

※決して先生のご回答がわかりにくいと言ってるわけではないので悪しからずm(_ _)m

今日の質問内容は?

今日は2021年4月25日(日)10時台 での質問で、

小学5年生の女の子の、

「冬至が過ぎると太陽の出る時間は長くなっていくのに、なぜ寒さのピークはそのあとにやってくるのですか?」

という質問を取り上げたいと思います。

 

回答された先生は、天気・気象分野の先生

福田寛之(ふくだひろゆき)先生 です。

聞き逃し配信 

2021年4月25日(日)

10時台 14分00秒あたりからの質問

NHKラジオ第1 子ども科学電話相談をらじる★らじる

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=2039_00_3304682

 

先生のご回答は?

「冬至」の時は太陽が地球に与えるエネルギーが小さい!

確かに一番日の当たる時間が短い日が、一年で一番寒くてもいいのに、なぜなのでしょうか?

大変いい質問ですね!(*^-^*)

結構素朴な疑問ですが、季節をよく感じていないと気付かない疑問でしょう。

先生との会話を追ってみましょう。

(福田先生)

冬至っていうのは大体12月の22日ですけど、一番寒いのはその一か月後の1月半ばから終わりぐらいになるわけですけど、このズレについて一緒に考えてみましょう。

冬至というのはどんな日かご存じですか?

(女の子)

1年のうちで最も昼が短い日

(福田先生)

その通りです。

それにつけ加えてもう一つ覚えておいてほしいことがあるんですが、昼が短いということは太陽の位置が一年で一番低いということなのです。

太陽というのは「冬至」の反対「夏至」の時に最も高い位置を通ります。「冬至」なると最も低い位置を通ります。

夏至の時は78°くらい、冬至の時は32°です。

太陽は高い位置にあればあるほど地球に与えるエネルギーが大きいということなんです。

(女の子)

へー

高いところから照らされると効率よく温めることができ、

低いところから照らされるとあまり温めることができない、

ということで、「冬至」は低いところから照らされるので、大地が受けるエネルギーが小さいのですね。

まず大前提として、女の子もこれは理解されたようです(`・ω・´)

(福田先生)

でもさっきの疑問はそのままですよね。

ではなぜ、エネルギーも少なくて出ている時間も短いのに、冬至の後に最も寒い時期がやってくるのでしょうか?

これは地球の温まり方がポイントなのです。

(女の子)

そうなんですか・・・

地球は温まるまで時間がかかるので、時間差で気温のピークがやってくる!

必ずしも、お日さまの出ている時間の長さがすぐに気温に現れてくるわけでないようですが、どういうことでしょうか?

(福田先生)

太陽が地球を暖めると、すぐに全部温まるわけではなくて、まずは地面がじわじわと暖まって、そのあと空気が暖まってきます。

反対に冷えていくときもじわじわ冷えていきます。

では冬至というのは一番たくさんの熱が地球から宇宙に逃げていく日なんです。

例えばやかんに火をつけると、一番強い火で温めてもすぐには熱いお湯にはならないですよね。

 

 

解説と考察

地面の暖まり方を説明するのには、先生も苦慮されていましたね(笑)

図をもって説明したほうがわかりやすいと思いましたので、図解してみましょう(^^)

太陽から来る光の量は変わらないけど、角度が変わる

これは意外と理解が難しいことの1つかも知れませんね(^_^;)

太陽から来る光の量が同じなら、暖かさも同じと思いそうですが、実は地面に光が当たる角度で暖まり方が違うのですね・ω・

先生は

「夏は真上付近(78°)から太陽の光がやってくる」

「冬は低いところから(32°)から太陽の光がやってくる」

とおっしゃいました、実は冬のほうが広い面積に薄く当たることになるのですね。


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上の図は太陽から来る光の量と角度を表しています。

太陽から来る光の量(上の図ではオレンジの帯の幅で表しています)は同じなのですが、冬のほうが広い面積に当たっていますよね。

「え?広い面積のほうが広く暖まるじゃん!」

とも思いそうですが、同じ光でも『広い面積に薄まってしまっている』ということになるので、冬はなかなか暖まらないのですね(*^^*)

地面がエネルギーを吸収して暖まるのには時間がかかる!

今回の質問の難しさはこちらの方にあると思います。

どんなものを暖めるのにも、すぐには暖まらないということなのですが、先生は「やかんの例」で説明されていましたね。

やかんの中に入っているような「水」は暖まりにくいものの代表とも言えますので火に掛けてもすぐには暖まりません、実はそれよりもっと温まりにくいのが空気なのですね(T_T)

空気が温まるまで(冷める)までは、夏至(冬至)から1ヶ月はかかるとのことでしたね。

これを図化すると下のようなイメージになります。

棒は太陽からのエネルギーの量(4〜10の数値も振って)表しています。

灰色の線はおおよその気温の動きを表しています。


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夏至は太陽からのエネルギーが最も多くなるのですが、もちろんその前後の月も非常に太陽のエネルギーが高いことがわかります。

最も暑い8月頃はその前の月の高いエネルギーの太陽光を吸収して、8月頃にようやく空気も暖まり切ることになります。

分かりやすくするため、3ヶ月間ほど取り出して考えて、8月初めの時点の数字を足してみると『28』になりますね。

例えばこれが7月初めで集計してみると、『27』なので、空気に蓄えられているエネルギーは少し少ないですよね。

冬ではこれの逆になるわけです。

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冬至は太陽からのエネルギーが最も少なくなる日ですが、その前後の月もエネルギーは少ないですよね。

これを2月初めくらいの時点で集計すると、エネルギーは『14』。他の時期も足し算してみるといいですが、ここが1番数値が低くなると思います。

ですので、この時期が1番寒いのですね。

 

とにかく空気は暖まりにくい(冷めにくい)のです!

考えてみると、太陽の光は空気を素通りして、わざわざ地面を暖めるわけで、空気は太陽光によって直接的にはほとんど暖められないのですね。

空気が温まらないと(冷めないと)、当然気温や天気への影響が出ないので、夏至(冬至)の時期からずれてしまうのですね。

まとめ

  • 太陽からのエネルギーが最も高いのは「夏至」、最も低いのは「冬至」。
  • だけど、地球の空気が暖められるのには時間がかかる。
  • 空気が時間をかけて暖まるので、気温の最も高い日(低い日)は、「夏至」(「冬至」)からずれてしまう。

 

今回の回答難易度


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※個人的な難易度設定です