皆さまお疲れ様です!
おとうさんブロガーの える です(・ิω・ิ)
今日も、子ども科学電話相談の解説のコーナーをはじめましょう(^^)
本コーナーでは、子ども科学電話相談での、面白い質問・深い質問を取り上げて解説しております。
※決して先生のご回答がわかりにくいと言ってるわけではないので悪しからずm(_ _)m
今日の質問内容は?
今日は2020年4月26日(日)0時台 での質問で、
5年生の女の子の、
「超新星爆発の後ににどうしてベテルギウスのような大きな星が残っているの?」
という質問を取り上げたいと思います。
正確には、
「超新星爆発の後にチリが散って小さな星になるはずなのに、どうしてベテルギウスのような小さな星が残っているの?」
ということです。
回答された先生は、天文・宇宙分野の先生
国司真(くにしまこと)先生 です。
褒め上手なやさしい先生ですね( ̄∀ ̄)
聞き逃し配信 2020年4月26日 0時台 (6月21日まで配信)
14分15秒あたりからの質問
先生のご回答は?
子どもが好きな超新星爆発系の質問ですね キタ━(゚∀゚)━!!
星が爆発するだとかなんだとかは壮大で、子どもが好きな話ですからね。
結論としまして先生のご回答は、
超新星爆発が起こるとそのあとに、ブラックホールや中性子星(パルサー)といった小さな星ができます
ということで、
超新星爆発の後はガスなどが吹き飛んでしまって、小さな星が残りますということですね(^^)
先生はそもそもベテルギウスとはどのような星なのか、超新星爆発とは?ということを順番に説明されました。
ベテルギウスとは?
冬の大三角形は見たことがありますか?その時に見たことがあると思います。
どんな色をしていましたか?
と先生、女の子は赤色と答えていました。
ベテルギウスは赤色の星ですね (^O^)
【 ▲冬の大三角 】Copyrighted free use, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=879701
冬の大三角は、
- おおいぬ座の シリウス
- こいぬ座の プロキオン
- オリオン座の ベテルギウス
と、冬に見られる明るい星で構成される、きれいな三角形とのことですね。
中でもベテルギウスは赤く見える星になります。
赤くてとっても大きな星なので、赤色超巨星と言われたりもします
ベテルギウスの大きさは大変大きく、太陽の約1400倍と言われています!
このように、大変大きく、後述するように変化が激しい星なので、積極的に研究されている星ですね。
超新星爆発とは?
ベテルギウスは大きくて、赤っぽい星なので温度が低いんです。
今年2020年の2月くらいはもっともっと暗かったんです。
このように、光の強さが変わる変光星と呼ばれる星なんです
このベテルギウスの暗くなったという話は有名ですね。
もともと先生の言うように、変光星なので光度は変わる星なのですが、過去に類を見ない、急激な減光だったので、「超新星爆発の予兆か?」とも言われていましたが、現在では回復しています。
【 ▲ベテルギウスの光度 】 AAVSO - AAVSO Light Curve Generator 2 (LCG2): https://www.aavso.org/LCGv2/, CC 表示 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=86007744による
原因はおそらく、放出されたチリが、ベテルギウスの光を覆い隠していたという説が有力です。しかしベテルギウスは不安定な状態にあるというのは紛れもない事実ですね。
ベテルギウスは核融合反応の燃料が少なくなって、エネルギーのバランスが崩れているんです
とのことで、核融合反応とは水素という軽い物質が合体して、ヘリウムという、より重いガスに変わる反応の事ですね。
これによって、星(恒星)は莫大なエネルギーを生み出して、光っているのですね。
これ以上核融合が起こらないよー、という状態になると赤色超巨星になって、超新星爆発が起こるんです
爆発する前に、中心が押し縮められるようにつぶれて、ブラックホールや中性子星という小さな星が生まれるんです。
ということで、重い星は最期になると、超新星爆発という大規模な爆発を起こして、その跡地に小さな星ができるということになるのです。
太陽の場合は?
太陽の場合はあと寿命が50億年もあると言われていますが、ベテルギウスのような超新星爆発は起こりません。
太陽はベテルギウスほど、重さが重くなく、安定した燃料消費をしているので、激しい最期は迎えないと予想されていますね。
ただし、膨れてきてしまって、金星や地球の軌道の大きさまで大きくなってしまいます
太陽の場合は大きく膨れてきた後に、徐々にしぼみながらガスを失っていって、白色矮星という白く小さな星になってしまうのですね。
解説と考察
今回の質問ですが、、、私としては少々違和感がございまして、もしかすると女の子は違うことを聞きたかった可能性もあるな、と思ってしまいました。
といいますのは、超新星爆発の後にベテルギウスのような大きな星が残っているという聞き方ですので、
超新星残骸から新しい星が生まれると思いますが、残骸から生まれるのにもかかわらず、なぜ小さな星ではなく、大きな星が生まれるの?
という意味合いにも取れなくないからです。
ですので、僭越ながら、下ではその説明もしてみますね(^^)
太陽も地球も星屑からできている
子ども科学電話相談の過去の質問でも話されていたりするのですが、太陽も地球も実は星屑の集まりからできているんですね。
つまり、超新星爆発の残骸が、現在の地球の大地になっているのです。
こういった話は子供の図鑑にはよく出てくるので、この部分をよく調べたお子さんならば、上記のような質問の意図であるということは、ありえない話ではないのです。
『講談社の動く図鑑 MOVE 宇宙』、にはこのように書いてあります。
50億年以上前、銀河系の片隅で寿命の尽きた多くの恒星たちが超新星爆発をおこし、ガスやチリをまきちらした。それから、あらたな超新星爆発の衝撃波で、ガスに密度の濃いところができた。
太陽系の赤ちゃんである。
ということです。
超新星残骸が寄り集まって、次の星が生まれるのですね。
このような星を種族2または、種族3の星と言われています。
ベテルギウスも星屑からできている
ベテルギウスの生まれ故郷ははっきりしてはいませんが、ベテルギウスも太陽と同じように、星屑からできているのは間違いありません。
ベテルギウスは生まれてから約800万年~850万年と言われていますが、このような最近に誕生した星は星屑が混ざっており、また太陽よりも星屑の量も多いと言われてもいます。
そうなると、星屑が寄り集まってできただけなのに、なんで大きいの?といった質問もあり得るわけですね(·∀·)
しかしながら、ベテルギウスなどは、その前にあった星だけの材料からできているとは限らないわけですよね。
前述の図鑑にもあったように、多くの恒星たちの残骸や、宇宙の星雲ガスが集まって次の星ができていくわけですので、一つの超新星爆発残骸だけでは次の星はできないと考えられます。
爆発の衝撃が、ほかの星雲に影響したりなどして星の種ができるので、次にどのような大きさの星ができるかは、周りの環境次第ということですね( ̄∀ ̄)
ベテルギウスは大きすぎるというわけではない
女の子が知っていたかどうか、星屑から生まれる星は小さな星が多い傾向にはあります(太陽くらいの大きさ) 。
太陽に比べると、大きく重いベテルギウスですが、特別大きすぎる星というわけではありません。
ベテルギウスの入っているオリオン座には、リゲルという白く美しい星があります。
この星も星屑からできているのですが、現時点ではベテルギウスの倍は重いのです。
【 ▲リゲル 】英語版ウィキペディアのHaktarfoneさん, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=38461687による
このように、星屑から生まれると言っても、多様な大きさがあるので、一概に小さな星が多いとは言い切れないわけなのですね。
まとめ
女の子の質問の意図は定かでなく、今は先生の結論で満足だったかもしれませんが、宇宙は調べれば調べるほど面白いので、次々と疑問が湧いてくるものです(❁´ω`❁)
ぜひ、宇宙という分野を科学的探求心のモチベーションに変えていきたいものですね。
今回の回答難易度目安
※個人的な難易度設定です